今回ご紹介するカーミングシグナルは現在の状況と気持ちを「伝えるサイン」です。
ワンちゃんの伸びや、指示していないときのお座りの意味などについて解説していきます。
*** お知らせ ***
ワンちゃんがアクビをするのは眠いからじゃない?前回のテーマ「相手を落ち着かせるためのシグナル」はコチラ
ゆっくり歩く(Walking slowly)
「落ち着かない」「そわそわする」といった警戒心の現れです。
反応を見るように止まったりしながら寄ってくるのは相手からのメッセージを待っています。
メッセージが返ってこないと近づきません。
飼い主が無理矢理行動に移さず、犬の気持ちにゆだねてあげましょう。
カーブ状に歩く(Walking in a curve.)
ジグザグに動いたり、カーブを描いて寄ってくるのは攻撃の意思がないと訴えています。初対面の犬同士のときによく見られる行動です。
逆に直線的に向かってくる時は注意しましょう。
初めての相手にどちらの行動をとるかで飼い主も状況を判断できます。
横を見る(See the side.)
初めての相手に真正面から寄っていくことはありません。体の横を見せて寄っていき相手の反応を見ています。
動作が凍り付く(Freeze.)
ゆっくり歩く同様、相手の反応を確認していますがかなり緊張もしています。飼い主まで緊張せず愛犬を安心させてあげましょう。しかし、状況次第では悪い方向に進むので遠ざけるのがよいでしょう。
2頭の間を裂く(Splitting up)
二匹でお散歩をしていて他の犬に遭遇した時にこの行動をとるのは相手が違う群であると警告し、仲間を守ろうとしています。飼い主にも同じシグナルを出します。やきもちと勘違いせずに愛犬の訴えを理解することで自分の身を守れます。
座る(Sitting down.)
知らない犬が寄ってきた時などに座るのは、自分や相手を落ち着かせ敵がないことを強く伝えています。身を守ろうともしています。更に、飼い主のそばに座るときは何かして欲しという訴えです。
しつけをせずとも犬がお座りをする時はこのシグナルからくるもので飼い主に服従しています。
口元を後ろに引く(Lengthen the corner.)
相手に敵意が無い事を示しています。犬同士の目が合ってこの行動をしたときは相手への服従を意味します。
オシッコをする(Pee.)
お散歩中に出くわした犬に、おしっこをしてしまうのは敵意がなく好意的であることを示しています。臭覚がとても優れている犬にとって、自分の臭いを嗅がせるということは心を許している証拠です。嬉しさのあまりに興奮してしまう「うれしょん」も飼い主に好意をもっている証拠です。
おしっこのポーズを取っても、実際におしっこをしない場合は高ぶった感情を鎮めようとしている可能性があります。
どこかに行ってしまう(Go away.)
ずっとそばにいたのに急にふらっと行ってしまうのは信頼と安心の表れです。自分のテリトリーに相手がいてくれるだけで快適さを感じて自由に動きます。けして、嫌いになったわけではありませんので安心して下さい。
小犬の様に振る舞う(Like a puppy.)
キャンキャン鳴いたり、じゃれてくる時は甘えと服従を表します。
存分に遊び満足させてあげ、気持ちを落ち着かせてあげましょう。それでも落ち着かない時には、犬のシグナルを真似て人間も伏せやお座りをし「落ち着かなくては」と思わせることも有効です。
前足で伸びているような体勢(Going down in play position.)
お尻を上げ前足を伸ばしているのは遊んでほしい時。さらに強い表現になると相手の下にもぐりこんだり、お腹を見せたりします。しかし、上位の犬は背中に乗せることはないので、上下関係が飼い主にもわかります。
しっぽを振る(Wagging tail.)
飼い主が帰ってきた時にこの行動をとるのは喜びを表しています。
しかし、水平にゆっくり振る時は「不安・様子見・心配」という意味です。
犬は尻尾で感情を表現しますので、全てが歓喜や喜びではありません。尻尾の振り具合や位置によって訴えが変わってきます。
犬もシグナルを出し気持ちを一生懸命伝えてくれます。しかし、犬の行動が全て人間の行動からくる感情と同じではないので勝手な解釈をしないことで、犬の気持ちを損ねたり、傷つけたりすることがなく円満な関係を築いていけます。
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