飼い犬が他の人を噛んでしまったときの対処法

2015年1月15日に痛ましい事件が起こりました。

ひも放し飼いした飼い犬が女児の顔を噛み重症負わす
容疑で飼い主の女逮捕 和歌山・御坊

もしも、自分の飼い犬が他の人を噛んでしまったら…。
「うちの子に限ってそんな事はありえない」と思われるかもしれませんが、予備知識として対処法を知っていただければと思います。

1.初期対応
2.初期対応が終わったら
3.狂犬病について
4.飼い主の義務
5.事故を起こさないために
6.最後に


1.初期対応

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(1)飼い犬を被害者から離す

※犬が噛みついている状況で離そうとすると傷口が広がる恐れがあります

(2)飼い犬のリードを手頃なポール等に結びつける

(3)傷が浅い場合、応急処置を行う

(4)病院を受診する

※出血が多く、血が止まらない場合は救急車を呼ぶ事も考慮してください。
医師の診察を受ける際「飼い犬に噛まれた事」「飼い犬がいつ狂犬病予防接種を受けたか」を伝えます。
診断書を書いてもらう事を忘れないようにしてください。
また、治療にかかる諸経費は全て飼い主が払います。

2.初期対応が終わったら

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保健所や動物保護センター等に届出をする

保健所に届け出る=殺処分というワケではないので、きちんと届出ましょう。飼い主の義務です。
届出の書式等はネットで「飼い犬 かんだ (自治体名)」で検索をかけると届出方法と一緒に見つかると思われます。市町村名で検索して出てこない場合は県名で検索すると出てきます。
判らない場合は、最寄りの保健所に問い合わせてみてください。

自治体によっては24時間以内に提出する事が義務付けられている場合があります。
また、規定の時間内に飼い犬を獣医に診せて「狂犬病を発症していないか」判断してもらう必要がある場合もあります。
(参考)動物による事故 東京都福祉保健局

届出を行った際に再発防止のための情報提供を行ってくれる事もあります。
(参考)飼い犬が人をかんだ、犬にかまれた|愛知県動物保護管理センター

(6)お見舞い

菓子折りとお見舞金を持って被害者宅に伺います。
誠心誠意謝罪をしましょう。

!ポイント!
個人賠償責任保険に加入していると、損害賠償金などの損害を補償する事ができます。
自動車保険等に付帯している事もあるので、日頃から契約内容を確認しておくとイザという時慌てなくて済みます。

3.狂犬病について

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狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有するイヌ、ネコおよびコウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりしてできた傷口からの侵入、および極め て稀ではあるが、濃厚なウイルスによる気道粘膜感染によって発症する人獣共通感染症である。

NID国立感染症研究所より引用

症状(人)

強い不安感、一時的な錯乱、水を見ると首(頚部)の筋肉がけいれんする(恐水症)、冷たい風でも同様にけいれんする(恐風症)、高熱、麻痺、運動失調、全身けいれんが起こります。その後、呼吸障害等の症状を示し、死亡します。

狂犬病に関するQ&Aについて|厚生労働省より引用
発症後の死亡率はほぼ100%で非常に危険な病気です。

症状(犬)

性格の変化の後、過剰な興奮、凶暴化。麻痺症状により死亡する

犬の狂犬病|犬の病気事典|Petwell(ペットウェル)より引用
凶暴化するという症状から狂犬病と名付けられたようです。
(参考)八ヶ岳南麓ペット.com--pet病気相談室

対処法

発症後の有効な治療法はありません。
ただし、狂犬病の暴露後ワクチンを接種する事で発症を予防できます。
(参考)狂犬病|厚生労働省

狂犬病の暴露後ワクチン

狂犬病の予防接種を受けていない犬に噛まれた場合、発症を予防するために狂犬病の暴露後ワクチンを受ける事ができます。
この予防ワクチンは出来るだけ早く接種を開始する必要があります。
初回のワクチン摂取を0日として3日、7日、14日、30日、90日の計6回皮下に接種します。
なお、噛んだ犬が2週間以上、狂犬病の症状を示さない場合は狂犬病に感染した可能性が否定できるため、暴露後ワクチンの連続摂取を中止できます。
(参考)狂犬病に関するQ&Aについて|厚生労働省

ちなみに…

日本は厚生労働省大臣が指定する狂犬病清浄地域になっています。
なので、日本国内で日常生活する分には人も犬も狂犬病にかかる可能性は極めて低いです。
(参考)狂犬病|厚生労働省

4.飼い主の義務

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飼い主は法律上、1年に1度飼い犬に狂犬病の予防接種を受けさせる義務があります。
前述の通り、狂犬病に感染する可能性は極めて低いですが、毎年ちゃんと予防接種を受けさせましょう。
(参考)狂犬病に関するQ&Aについて|厚生労働省

5.事故を起こさないために

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愛犬と生活する上で、事故を起こさないために下記の事柄を守りましょう

  1. 狂犬病の予防摂取を毎年受けさせる
  2. 家の外に出るときは必ずリードをつける
  3. 伸びるリードの場合は無闇にリードを伸ばさない
  4. 人とすれ違う際は犬を抱え込む等して、犬を自由にさせない
  5. 噛み癖のある犬は噛み癖を直す(しつけを行ったり、ドッグトレーナーに相談)
  6. 個人賠償責任保険に加入していない場合は加入を検討する※ペットの健康保険に加入している場合、特約があるので特約の追加も検討する

特に1は狂犬病予防法で義務付けられています。2も各自治体の条例でリードをつける事が義務付けられている場合があります。
5については気の毒ではありますが、癖が改善されるまで「くつわ」を付ける事も検討しましょう。

6.最後に

可愛い愛犬が他の人を噛んでしまうという悲しい事故が一件でも減る事を祈ってます。
ちなみに平成24年度の犬による咬傷事故件数は全国で4,198件です
(参考)環境省 犬の飼い主のみなさんへ
少しでもトラブルの可能性を減らして楽しいペットライフを過ごしましょう(^O^)/

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